仮想通貨あれこれ

暗号通貨(仮想通貨)のこといろいろかな

ビットコイン、海外の売りポジションは拡大

足元のビットコイン(BTC)は190万円台で取引されています。もっとも取引量の多い米ドル建てでは19,000ドル台で推移しています(コインマーケットキャップより)。

一部国内の暗号資産(仮想通貨)取引所が出している投資家の未決済建て玉情報(12月14日時点)では、前週比で200万円台の買いが拡大しました。一方、海外の大手取引所ビットフィネックスでは、12月14日のショートポジションは前週から約11%拡大して4,339枚となっています。ロング・ショート比率は昨年以降継続してロングポジションの方が大きく、足元では83.4%となっています。

昨年10月と12月には、ビットフィネックスにおいてショートポジションが1万枚台まで積みあがった直後に買い戻しのような動きが建て玉と価格で観測されました。短期的な値動きを追うには、引き続き、国内外の取引所における売りポジションの動向に注目する必要があります。

「メトカーフの法則」ビットコイン価格は適正

暗号資産(仮想通貨)の価値を探る方法として、「メトカーフの法則」とよばれる計算方法があります。メトカーフの法則は、「ネットワーク通信の価値は、接続されているシステムのユーザー数の二乗(n2)に比例する」というものです。電話やインターネットなどネットワークの価値は繋がるモノが多ければ多いほど価値が向上するという意味合いで、電話を例に挙げると、世界で2人しか使用していなければ、「1対1」の繋がりしかなくネットワーク価値は限定されます。一方、世界中で電話を使用する人が多い状況では、「ユーザー数×ユーザー数」という計算式でネットワーク価値は膨れ上がります。

この法則にビットコイン(BTC)のユニークアドレス(取引活動があるアドレス)の数を用いてフェアバリューを計算した結果、12月10日時点のビットコインのフェアバリューは17,545ドルとなりました。足元のビットコインは18,000ドル近辺で推移していますが、ユニークアドレス数の推移を参考に算出されたフェアバリューから比較すると市場価格は適正といえます。また、今後のシナリオも下記の通り計算している。(ユニークアドレスはBlockchain.com、ビットコイン価格はCoinMarketcapより)

〇2019年12月31日時点のユニークアドレス数をベースに、3つのシナリオで計算「Neutralシナリオ(年率10%増加)」「Upperシナリオ(年率30%増加)」「Underシナリオ(年率10%減少)」

「Neutralシナリオ(年率10%増加)」
・2020年末予想・・・9,719ドル
・2021年末予想・・・11,761ドル
・2022年末予想・・・14,230ドル

「Upperシナリオ(年率30%増加)」
・2020年末予想・・・13,575ドル
・2021年末予想・・・22,942ドル
・2022年末予想・・・38,772ドル

「Underシナリオ(年率10%減少)」
・2020年末予想・・・6,506ドル
・2021年末予想・・・5,270ドル
・2022年末予想・・・4,269ドル

一方、ユニークアドレスの推移を確認すると、2017年12月をピーク(107万件)に、最近では50万件から85万件の間の水準で横ばいとなっています。

フィスココイン(FSCC)テクニカル分析

12月7日13時時点のFSCCは、90円近辺での推移となっています。

先週77円でしたので、一時23円高の100円付近まで上昇となり、現在は90円での推移となっています。ビットコインが200万円を付けて大きく上昇しているため、ビットコインの値動きにも注目です。フィスココインは現在、大きなトレンドが発生しており、トレンドラインをひくと、下値は60円付近、上値は120円が目安となっています。また、過去の値動きから、次の上値めどは、127円付近を示しています。

SBI、スイス証券取引所子会社と合弁会社設立

SBIホールディングス<8473>の100%子会社で、デジタルアセット関連事業の統括・運営を行うSBIデジタルアセットホールディングスは8日、スイスの証券取引所を運営するSIXグループの子会社で、デジタル資産の取引サービスを提供するSIX Digital Exchange(SDX)と、合弁会社の設立について合意したと発表しました。

SDXは、スイスを中心にデジタル資産向けの取引・決済代行サービスを提供しています。既存の有価証券やその他資産をトークン化することにより、今まで取引をすることができなかった資産の取引を可能にするとのことです。

新設する合弁会社では、デジタル証券や暗号資産などデジタル資産の機関投資家の需要に応えることを目的とし、シンガポールの法制基準に合致したトークンの発行や上場、取引サービスに加え、保管や振替などの総合的な機能の提供を行うとしています。

これにより、デジタル資産のさらなる流動性拡大と機関投資家向けのサービス拡大を目指します。2021年にシンガポールでの業務を開始し、2022年までの正式なサービス開始向けて各種手続きを進めていくと伝えています。

 

NVTから見た足元のビットコイン価格は13,313ドル

暗号資産(仮想通貨)の価値を探る方法として注目されるもののひとつに、「NVT」という指標があります。暗号資産の市場分析で有名なウィリー・ウー氏が考案した指標で、同氏のホームページではリアルタイムの数値を公表しています。NVT(Network Value to Transaction)はネットワークの価値(暗号資産の場合には流通するコインの市場価値)を日毎の取引量で割った比率で、この値が高ければ取引量に比べてネットワークの価値が高いことを、この値が低ければ取引量に比べてネットワークの価値が低いことを表しています。NVTが中期的に一定の値に収斂することを前提とすれば、NVT比率の高低によって、ビットコイン価格が割高か割安かを評価することができます。

ビットコイン(BTC)のNVT比率(=時価総額/日毎の取引量の90日移動平均)を算出すると(時価総額はCoin Market Cap、日毎の取引量はblockchain.infoより)、12月2日時点のNVTの値は180と、過去の平均値よりも高いです。2日時点の取引量は2,983,704,874ドルですが、過去90日間の平均取引高1,985,303,097ドルにNVTの過去平均値125を当てはめると、ビットコインの妥当価格は13,313ドルと算出されます。この観点では、足元の市場価格19,127ドルは割高と評価されます。

 

暗号資産(仮想通貨)のイベントスケジュール:12月3日更新

12月7日-12月12日:ラテン・アメリカン・ビットコイン・アンド・ブロックチェーン・カンファレンス(オンライン開催)

12月9日-12月10日:パリ・ブロックチェーン・ウィーク・サミット 2020(開催地:フランス)

12月10日-12月11日:ブロックチェーン・ワールド・フォーラム(開催地:中国)

12月15日:ワールド・ブロックチェーン・サミット(オンライン開催)

12月16日:Bakktのビットコイン・オプションSQ(日本時間12月17日8時)

12月18日:Bakktのビットコイン先物SQ(日本時間12月19日8時)

12月25日:CMEのビットコイン・オプション、ビットコイン先物SQ(日本時間12月26日午前1時)

1月9日:ネムハッカソン

 

ハッシュレート分析によるビットコイン妥当価格は10,757ドル

ビットコイン(BTC)の価格予想を行う上で重要な要素のひとつにハッシュレートがあります。ハッシュレートは、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)をマイニング(仮想通貨の新規発行や取引承認に必要となる計算作業)する際の速度を表すものです。具体的には、1秒間に何回計算が行われているかを示していて、ハッシュレートが高いということはマイニングを行う処理速度、つまり処理能力が高いということになります。ハッシュレートが高くなる要因にはマイニング参加者の増加が挙げられます。マイニングに参加、投資する参加者の増加率を確認できるという意味合いで、ハッシュレートは重要度の高いデータのひとつといえます。

ハッシュレートは、長期的には継続して右肩上がりに推移しています。2019年1月11日時点の41,336,683 TH/Sから2020年12月1日時点では128,313,154TH/Sと、約3倍に増加しています(Blockchain.comより)。

ハッシュレートとビットコイン価格の相関係数を見たところ2017年、2018年、2019年と年によってバラつきがあるためあまり参考にはなりません。しかしその一方で、暗号資産業界の関係者の中には「ハッシュレートがビットコインの下値サポートラインに関係する」と見る向きもあります。足元のハッシュレート水準から分析すると、ビットコインの妥当価格は10,757ドルとなり、現在18,700ドル付近で推移するビットコインは割高と考えることもできます。