仮想通貨あれこれ

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Defiプロジェクト「BarnBridge」

BarnBridgeは様々なリスクプロファイルに合わせた債券トークンを提供するデリバテ
ィブプロトコルで、固定利付債やCDOを模したトークン商品などを開発しています。BarnBridgeのTVLは3.4億ドル(3月8日時点)で、流動性マイニング目的でBarnBridgeにロックされているBONDやステーブルコインが、現在のTVLを支えています。

BarnBridgeのサービスは、未だローンチされていませんが、Smart Yield BondsとSmart Alpha Bondsの二つに大別されます。Smart Yield Bondsは、優先劣後構造を持った複数種の債券トークン(Bonds)を提供し、集めた資金をDeFiレンディングに貸し出して利回りを稼ぎます。各Bondsによって受け取るリターンは異なることから、Smart Yield BondsはCDOに類似しています。一方、Smart Alpha Bondsは、あるトークンの価格リターンに対して、異なるリスクやリターンを持ったBondsを提供します。例えば、プールにSafe BondとRisky Bondの2パターンのBondsが提供されている場合、リターンが限定的になるものの、Safe Bondの買い手は一定程度のリスクをRisky Bondの買い手に押し付けることができます。

BarnBridgeは、BarnBridge DAOのガバナンストークンとなるBONDトークンを発行しています。BarnBridgeのサービスにおけるユーティリティはありませんが、AaveのAAVEトークンのように、ステークされているBONDはシステムの担保危機の際に保険金として利用される見込みです。BONDは70%がコミュニティに配布されており、いわゆるフェアローンチに近い形で分配されています。プロダクトがローンチされていない状態で、トークン配布とDAO移行が進められている珍しいプロジェクトです。

BarnBridgeの競合としては、同じトランシェモデルで債券を提供する「Saffron Finance」が挙げられます。固定金利プロトコルという括りでは、他にも競合するモデルは少なくありません。BarnBridgeのSmart Yield Bondsは、リーマンショックの主要因の一つであったCDOと似ていますが、現在のDeFiローンは担保が必須であり、リスクが限定的な債権トークンしか出回っておらず、信用不安の連鎖を起こすとは考えづらいです。AaveのCredit Deligationなどで無担保ローンの開発は進められており、今後それらの債権を担保にしたCDOトークンも出てくるでしょう。